2008年 09月 29日
美に生きる |
いささか前の話で恐縮ですが、先日笠間にある茨城県陶芸美術館に行ってきました。観たのは「岡部嶺男展」。岡部嶺男の名前は、陶芸に詳しい人でないとご存じないかも知れませんが、間違いなく昭和を代表する陶芸家の一人です。
岡部嶺男は、一世を風靡した巨匠、加藤唐九郎の長男です。しかし父と仲違いをして加藤の姓を捨て二度と実家に戻る事はありませんでした。この辺りの確執をモデルにしたのが漫画「美味しんぼ」です。漫画の中の海原雄山は北大路魯山人がモデルですが、雄山の師匠として登場する陶人は加藤唐九郎そのもの、雄山の息子で家を飛び出た史郎はさしずめ加藤(岡部)嶺男か魯山人の息子の福田桜一といったところでしょうか(北大路魯山人の本名は福田房次郎)。今回の展覧会でも、岡部の紹介の文中に加藤唐九郎の名前は只の一言も登場する事はありませんでした。これは全く驚きです、岡部の意を汲んだものだろうと斟酌致しました。
漫画の話は兎も角、岡部嶺男は両親の葬式にも顔を出すことがありませんでした。それほどの確執とは何だったのか、その理由の一端を、先日、加藤唐九郎の愛弟子だった陶芸家の方に伺うことが出来ました。勿論、こんなところでうっかり語る訳にはいきませんが、それにしても、芸術に生きると言うことはかくも惨い事なのか。美の追究に命を懸けた凄惨な人生を思い、ただただ頭を垂れるのみです。
振り返って己の甘さに忸怩たる思いが致します。反省する事しきり。
岡部嶺男は、一世を風靡した巨匠、加藤唐九郎の長男です。しかし父と仲違いをして加藤の姓を捨て二度と実家に戻る事はありませんでした。この辺りの確執をモデルにしたのが漫画「美味しんぼ」です。漫画の中の海原雄山は北大路魯山人がモデルですが、雄山の師匠として登場する陶人は加藤唐九郎そのもの、雄山の息子で家を飛び出た史郎はさしずめ加藤(岡部)嶺男か魯山人の息子の福田桜一といったところでしょうか(北大路魯山人の本名は福田房次郎)。今回の展覧会でも、岡部の紹介の文中に加藤唐九郎の名前は只の一言も登場する事はありませんでした。これは全く驚きです、岡部の意を汲んだものだろうと斟酌致しました。
漫画の話は兎も角、岡部嶺男は両親の葬式にも顔を出すことがありませんでした。それほどの確執とは何だったのか、その理由の一端を、先日、加藤唐九郎の愛弟子だった陶芸家の方に伺うことが出来ました。勿論、こんなところでうっかり語る訳にはいきませんが、それにしても、芸術に生きると言うことはかくも惨い事なのか。美の追究に命を懸けた凄惨な人生を思い、ただただ頭を垂れるのみです。
振り返って己の甘さに忸怩たる思いが致します。反省する事しきり。
by speedshopfalcon
| 2008-09-29 20:11
| 日常