2009年 01月 12日
李香蘭 |
山口淑子先生の「李香蘭私の半生」を読み返す。文字通り波瀾万丈の人生と言ったら怒られるだろうか。昭和史の大物総出演という感じの壮大な半生記、満映甘粕理事長から専統帝溥儀、清朝王族他満州国オールスターキャストと言ったら年輩の方々の叱責を受けるかも知れないが、満州国の女優という特異な立場だったからこそ書ける内部史の様子も伺え誠に興味深い。敗戦後の裁判での死刑判決、イサムノグチとの結婚、北大路魯山人宅での新居の様子、ハリウッドデビュー、ジェームスディーンとのデート等々、綺羅星のような登場人物との交流もさることながら、昭和という激動の時代に、中国人として歌手と女優として活躍し戦後は一転して日本人女優としてハリウッド、ブロードウェイでも活躍しその後国会議員という誠に数奇な運命を辿ったひとりの女性の生涯を思う。昔の人は凄かったとしみじみ思います。戦争を経験した人には、絶対に叶わないという思いがしました。この程度の不景気に騒いでいられないと思います。
by speedshopfalcon
| 2009-01-12 20:14
| 読書