2009年 08月 27日
のだめカンタービレ |
のだめさんも、シュトレーゼマン指揮のロンドンフィルハーモニックの定期でデビューされた様で。
そのデビュー曲、
フレデリック・ショパン ピアノ協奏曲第一番 ホ短調作品11
言うまでもなく、ピアノ曲最高の名曲のひとつ。世界最高のピアノコンクールであるワルシャワのショパンコンクールの本選では、避けて通れない演目です。ショパンコンクールは、ポーランドがロシアへの対抗心から立ち上げた「ショパンをポーランドに連れ帰る」ためのコンクール。開催が5年に一度なのと年齢制限があるので、毎回熾烈な戦いが繰り広げられる物凄いコンクールです。ちなみに日本人の優勝者は未だかつておりません。世界三大コンクールというのはピアノの世界では、ワルシャワのショパンコンクール、ベルギーはブラッセル(ブリュッセル)のエリザベート王妃記念コンクール、そしてモスクワのチャイコフスキーコンクールですが、この中で日本人が優勝したのはチャイコフスキーを取った上原彩子だけです。この人はヤマハ音楽教室出身で、音大出てないでチャイコフスキー優勝しかもピアノ部門では女性初の優勝だったのでヤマハが鼻高々で最高に宣伝に使ったのも良く判ります。で、このお方のだめにそっくりなんですが、たぶん上原さんをモデルに漫画を書いたんじゃないかというくらい似ています、口を尖らせて弾くところとか。。
そのショパンのピアコン1番ですが、忘れられないのはショパンコンクール第11回大会のスタニスラフ・ブーニンの演奏です。当時ブーニンは19歳、他の参加者が真っ青な顔で本選のコンチェルトをフラフラになって弾いているところ、このアンチャンは口髭など生やして余裕綽々で本選に臨みますが、その大事な本選の本番の2楽章で致命的なミスタッチをしてしまいます。しかし、その時青くなるかと思いきや、「ニヤ」っと不敵な笑みを浮かべたのです。この大会の模様はNHKで中継され、まだ学生だった私も固唾を飲んで見ていましたが、その演奏は実に凄かったです。この時の録音はライブレコーディングされ聴く事が出来ます。贅沢にもこのピアコン1曲のCDなのですが、終楽章ピアノソロパートが終わるや否やまだオケのコーダが続いているのに客席から拍手が始まってしまうという、感動的なフィナーレの様子が録音されています。この時、まだ結果など発表されなくてもこの演奏を聴いていた全員がコンクールの結果を確信した、そんな演奏でした。
ブーニンはソヴィエト最高の教師といわれたスタニスラフ・ネイガウスの庶子。不幸な生い立ちと、ピアノで身を立てようという健気な若者の一発勝負の舞台でのミスタッチ、それが思わず、緩徐楽章の「ニヤっとした」表情になったのでは無かったのでしょうか。19歳のブーニンの、精一杯の演出だった訳なので、そこを汲み取らないと只の不遜な若者の物怖じしない演奏、という風に片付けられてしまうのではないかと思います。
という訳で、のだめも映画が2本出来るし、これを期にクラシック音楽の理解度がますます高まれば良いと思います。
そのデビュー曲、
フレデリック・ショパン ピアノ協奏曲第一番 ホ短調作品11
言うまでもなく、ピアノ曲最高の名曲のひとつ。世界最高のピアノコンクールであるワルシャワのショパンコンクールの本選では、避けて通れない演目です。ショパンコンクールは、ポーランドがロシアへの対抗心から立ち上げた「ショパンをポーランドに連れ帰る」ためのコンクール。開催が5年に一度なのと年齢制限があるので、毎回熾烈な戦いが繰り広げられる物凄いコンクールです。ちなみに日本人の優勝者は未だかつておりません。世界三大コンクールというのはピアノの世界では、ワルシャワのショパンコンクール、ベルギーはブラッセル(ブリュッセル)のエリザベート王妃記念コンクール、そしてモスクワのチャイコフスキーコンクールですが、この中で日本人が優勝したのはチャイコフスキーを取った上原彩子だけです。この人はヤマハ音楽教室出身で、音大出てないでチャイコフスキー優勝しかもピアノ部門では女性初の優勝だったのでヤマハが鼻高々で最高に宣伝に使ったのも良く判ります。で、このお方のだめにそっくりなんですが、たぶん上原さんをモデルに漫画を書いたんじゃないかというくらい似ています、口を尖らせて弾くところとか。。
そのショパンのピアコン1番ですが、忘れられないのはショパンコンクール第11回大会のスタニスラフ・ブーニンの演奏です。当時ブーニンは19歳、他の参加者が真っ青な顔で本選のコンチェルトをフラフラになって弾いているところ、このアンチャンは口髭など生やして余裕綽々で本選に臨みますが、その大事な本選の本番の2楽章で致命的なミスタッチをしてしまいます。しかし、その時青くなるかと思いきや、「ニヤ」っと不敵な笑みを浮かべたのです。この大会の模様はNHKで中継され、まだ学生だった私も固唾を飲んで見ていましたが、その演奏は実に凄かったです。この時の録音はライブレコーディングされ聴く事が出来ます。贅沢にもこのピアコン1曲のCDなのですが、終楽章ピアノソロパートが終わるや否やまだオケのコーダが続いているのに客席から拍手が始まってしまうという、感動的なフィナーレの様子が録音されています。この時、まだ結果など発表されなくてもこの演奏を聴いていた全員がコンクールの結果を確信した、そんな演奏でした。
ブーニンはソヴィエト最高の教師といわれたスタニスラフ・ネイガウスの庶子。不幸な生い立ちと、ピアノで身を立てようという健気な若者の一発勝負の舞台でのミスタッチ、それが思わず、緩徐楽章の「ニヤっとした」表情になったのでは無かったのでしょうか。19歳のブーニンの、精一杯の演出だった訳なので、そこを汲み取らないと只の不遜な若者の物怖じしない演奏、という風に片付けられてしまうのではないかと思います。
という訳で、のだめも映画が2本出来るし、これを期にクラシック音楽の理解度がますます高まれば良いと思います。
by speedshopfalcon
| 2009-08-27 21:17
| 音楽