休日の正しい過ごし方 |
起きて、今度はマーラーの4番を聴く。この曲は現実と救済がテーマである。グスタフ・マーラーは19世紀末の作曲家、指揮者。ウイーンシュターツオーパーの音楽監督として音楽の都に君臨した。奥さんは「ウイーンいち美しい」と云われた美少女アルマ。しかし、この美貌の妻は、その後半ば公然とした浮気で亭主を苦しめることになる。。
マーラーは「いつか私の時代が来る」と言った。その言葉通りに二十世紀末に世界的なマーラーブームが沸き起こり、一気にメジャーな作曲家になる。。改めてマーラーの交響曲を聴くとき、美と醜のない交ぜになったカタストロフ、ひとりの男の苦悩、近代的な自我を強く感じます。ベートヴェンやブラームスが恰も神のような曲を書いたとすれば、マーラーは如何にも人間くさい。身近な男のモノローグのような印象を受けます。軍楽隊の響きと天上の音楽、破壊と救済が渾然とした、救いようのない音楽です。マーラーは、弟子のブルーノ・ワルターに度々「この曲を理解する者がいるだろうか」「この曲は演奏可能だろうか」と聞いていたそうです。しかし、今ではアマオケでも演奏する時代がやって来ました。マーラーの音楽は、矛盾に満ちた現代人に相応しい。矛盾と汚隈に満ちた現実を照らしながら救済する、現代に相応しい音楽と言えるでしょう。